新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年明けの記事としては手厳しいですが
業界を示唆するような内容なので会員限定記事とさせていただきました。
眼鏡職人を目指している方だからこそ、
知るべき内容と思っていますので、どうぞお付き合いください。
”ものづくり日本” として戦後から物作り文化を築いて来た日本。
メガネにおいても江戸時代からメガネが作られるようになり
その中でも大きな成長を遂げた福井県鯖江に製造拠点が移り、
メガネフレームの聖地とまで言われるようになりました。
ひたむきにメガネを作り続けていた昭和〜平成10年頃までは
クオリティの高さと真面目な国民性により
世界中のユーザーを魅了する商品を作り続けてきました。
しかし2000年以降低価格メガネが登場し、安さこそ正義かのような企業努力で
鯖江の技術は中国に「技術」も「人材」も「機械」も高額で買われ
今現在の製造技術は既に中国や韓国に追い抜かれています。
では何故、未だに海外のユーザーからMade in Japanが求められているのか?
技術では既に抜かれているのに、何故でしょう?
それはMade in Japanを手にするユーザーは「日本の文化が好き」という方が圧倒的に多く
Zen, Wabi, Sabi, Samurai, Bushido, Karate, Judo, など
日本の文化や考え方に魅了され日本製のモノを使うことで、
文化や考え方、思いを着る ”まとう” 事で
文化と一体となり自己主張や表現が出来るから というのが理由です。
決して物作りが世界で秀でているからという理由ではないという事です。
海外で眼鏡を販売すると必ず聞かれるのが「ストーリー」です。
・このブランドは何がキッカケで出来たのか?
・いつ始まったブランドなのか?
・日本の何処で作り始めたのか?
・誰からどのように伝えられてきたのか?
・何故このブランドを作りたいと思ったのか?
・今後どのようにしていきたいのか?
まさしく中学時代の英語で習った5W1Hの質問攻めです。
私達、眼鏡職人はただ眼鏡を作り自由な生活を手に入れる為だけではなく
上記の内容を考えた上でブランディング&ストーリーを作り広めていかなければなりません。
その為には日本の伝統や文化も含めてこそ、海外からも支持されるブランドになっていくと思っています。
今後会員限定記事として受講者の皆様に、
眼鏡の作り方だけではなく、造り手としての思いも伝えられるよう記事にしていきたいと思います。
長くなりましたが、今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。
日本独立眼鏡職人協会
代表理事 仲西 正義
Comments